2026年9月11日

札幌市中央区桑園にある桑園オリーブ皮膚科クリニックの院長こと米田明弘です。
北海道苫小牧市の苫小牧港で、特定外来生物の「アカカミアリ」が道内で初めて確認されたと報道されました。
港湾で行われたヒアリ類の調査により、約20匹が確認されたものです。
今回見つかったのは苫小牧港であり、札幌市内で確認されたわけではありません。また、現時点で北海道内への定着が確認されたということでもありません。必要以上に怖がる必要はありませんが、アカカミアリは人を刺すことがあるため、特徴や対処法を知っておくことが大切です。
アカカミアリとは
アカカミアリは、熱帯・亜熱帯地域を中心に生息する外来種のアリです。
英語では「Tropical Fire Ant」、学名は「Solenopsis geminata」と呼ばれます。体長はおよそ3~8mmで、赤褐色から暗褐色の体をしています。
強い毒を持つことで知られる「ヒアリ」とよく似ています。毒性は一般的にヒアリより弱いとされていますが、刺されると強い痛みや皮膚症状を起こし、体質によってはアナフィラキシーを起こす可能性があります。
アカカミアリは、ヒアリとともに「要緊急対処特定外来生物」に指定されています。
アカカミアリに刺されたときの皮膚症状
アカカミアリに刺されると、刺された瞬間に、焼けるような強い痛みを感じることがあります。
その後、次のような症状が現れる可能性があります。
刺された部分の赤み
腫れ
痛みや熱感
かゆみ
小さな水疱
中央に膿がたまったように見える小さな発疹
翌日になると、赤みの中央に白い膿疱ができることがあります。細菌感染ではなく、アリの毒に対する皮膚反応として生じる場合があります。
膿疱は無理につぶさず、かいたり触ったりしすぎないようにしましょう。傷がつくと、二次的に細菌感染を起こすことがあります。
刺されたときの対処法
アカカミアリに刺された可能性がある場合は、まず安全な場所へ移動してください。
刺された直後は、次のように対応します。
刺された部分を流水と石けんで洗う
冷たいタオルや保冷剤を布で包んで患部を冷やす
20~30分程度は安静にして体調の変化を観察する
できるだけ一人にならず、周囲の人にも状況を伝える
赤みやかゆみが強い場合には、症状に応じて抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬などを使用することがあります。
腫れが広がる、痛みが強い、膿疱が多数できた、症状がなかなか改善しない場合には、皮膚科を受診してください。
このような症状は直ちに救急車を
アリに刺された後、次のような症状が現れた場合には、アナフィラキシーの可能性があります。
全身にじんましんが広がる
息苦しい、呼吸がしにくい
のどが詰まる感じがする
声がかすれる
唇や舌、まぶたが腫れる
強い動悸やめまいがする
腹痛や繰り返す嘔吐がある
意識がもうろうとする
このような場合は様子を見ず、すぐに119番へ連絡してください。その際、「アリに刺された後に症状が出た」「アナフィラキシーの可能性がある」と伝えましょう。
特に、過去にハチやアリに刺されて強いアレルギー症状を起こしたことがある方は注意が必要です。
アカカミアリらしいアリを見つけたら
見慣れない赤褐色のアリが多数集まっていても、素手で触ったり、巣を刺激したりしないでください。
可能であれば、安全な距離から写真を撮り、発見した場所を記録します。自分で捕まえようとせず、環境省の「ヒアリ相談ダイヤル」や自治体へ相談してください。
環境省ヒアリ相談ダイヤル:0570-046-110
IP電話から:06-7634-7300
死骸を保管する場合も、素手では触れず、密閉できる容器などを使用してください。
北海道で確認されたからといって、過度に怖がる必要はありません
今回のアカカミアリは、苫小牧港で行われた港湾調査によって確認されたものです。札幌市内で広がっている、あるいは北海道に定着していることが確認されたわけではありません。
一方で、物流に伴って外来種が北海道へ入り込む可能性があることは分かりました。見慣れないアリには不用意に触らず、万が一刺された場合には、皮膚症状だけでなく全身症状にも注意してください。
桑園オリーブ皮膚科クリニックでは、虫刺されによる赤み、腫れ、かゆみ、水疱、膿疱などの皮膚症状を診察しています。
刺された部分の症状が強い場合や、通常の虫刺されか判断しにくい場合にはご相談ください。ただし、息苦しさや意識障害などの全身症状がある場合は、皮膚科の通常受診ではなく、直ちに救急車を要請してください。
※発見状況などの情報は今後更新される可能性があります。最新情報は環境省や北海道の発表をご確認ください。

