2026年11月03日

札幌市中央区桑園にある桑園オリーブ皮膚科クリニックの院長こと米田明弘です。
「子どもの湿疹がなかなか落ち着かない」「塗り薬にはどのような選択肢があるの?」
小さなお子さんのアトピー性皮膚炎について、このような疑問をお持ちの保護者の方もいらっしゃると思います。
2026年10月、アトピー性皮膚炎の治療薬「プロトピック軟膏0.03%小児用」の添付文書が改訂されました。これまで2歳未満のお子さんには使用できませんでしたが、今回、生後6カ月以上のお子さんでも、医師の判断で使用を検討できるようになりました。
新しい薬が発売されたということではなく、これまで使われてきた薬の使用年齢に関する変更です。今回は、その内容と注意点をご紹介します。
プロトピックはどのような薬?
プロトピックは、タクロリムスという成分を含む、ステロイドではないアトピー性皮膚炎の塗り薬です。皮膚の炎症に関わる免疫の働きを抑えることで、症状の改善を目指します。
ただし、「ステロイドではないから、どのお子さんにも最初に使う」という薬ではありません。ステロイド外用薬などの治療で十分な効果が得られない場合や、副作用などで使用が難しい場合を含め、プロトピックによる治療がより適切かどうかを医師が判断します。
今回の乳幼児への使用に関する変更は、低濃度の「0.03%小児用」が対象です。濃度の異なる0.1%製剤を代わりに使うことはできません。
生後6カ月以上なら、どんな湿疹にも使える?
対象となる病気は、アトピー性皮膚炎です。赤ちゃんの湿疹に一律に使うものではなく、診断や皮膚の状態を確認する必要があります。
また、生後6カ月未満のお子さんには使用できません。添付文書では低出生体重児・新生児も使用できない対象に含まれています。出生時の状況や持病についても、診察時にお伝えください。
保護者の方やきょうだいに処方された薬を、自己判断で赤ちゃんに使うことは避けましょう。
塗る量にも上限があります
改訂された添付文書では、「生後6カ月~2歳未満(体重10kg未満)」の区分について、1回に塗る量の上限の目安が0.5gとされています。
これは、1か所ごとではなく、1回に使用する合計量の目安です。また、毎回必ず0.5gを塗るという意味でもありません。年齢・体重・塗る範囲に合わせ、実際の量と回数は医師の指示に従ってください。
年齢と体重が添付文書の区分にそのまま当てはまらない場合も、ご家庭で量を増減せずに相談してください。
使い始めの刺激感や、皮膚の状態に注意しましょう
使い始めに、ヒリヒリ感やほてりなどを感じることがあります。症状の改善とともに落ち着くことがありますが、刺激が強い場合や皮膚の状態が悪くなる場合は、無理に塗り続けず相談してください。
明らかに皮膚がむけてただれた部分や潰瘍のある部分には、そのまま使用できません。とびひなどの感染症を伴う場合も、塗る場所や治療の順序を医師が判断します。
使用中は強い日差しを避けるなど、紫外線への配慮も必要です。薬を塗った部分を密封する使い方はしないでください。おむつで覆われる部位に使いたい場合も、事前に確認しましょう。
2週間以内に改善がみられない場合や、途中で悪化した場合は、使用を中止して医師に相談してください。
大切なのは、その子に合った治療を選ぶこと
今回の改訂で、乳幼児のアトピー性皮膚炎に対する治療の選択肢が広がりました。一方、現在の治療で良い状態を保てているお子さんが、必ず薬を変更する必要はありません。
「今の薬を続けてよいのか」「うちの子にはどの治療が合うのか」など、気になることがあれば、診察時にご相談ください。桑園オリーブ皮膚科クリニックでは、お子さんの皮膚の状態や年齢を確認しながら、治療についてご説明します。

